2011年10月25日火曜日

ほんのすこし、食のはなし

今年も10月下旬、残すところ2ヶ月です。
寒いですが、10月はまだ暖房を入れてはいけないので
セーターを何枚も着て、がんばります。
そういえば、昨年は例外的に10月、一日何時から何時まで
という制限付きで暖房オンが許されていましたっけ。
わたしは節約で入れませんでしたが(風邪引いた)。

さて、この寒さで生野菜から遠ざかっております。
が、私の好きな野菜を2つ、ご紹介します。
日本でふつーに見かけるものはつまらないので
そうでないものを。


まずは、これ。
ういきょう」(フェンネル)です。
食感と味はセロリに似ていて
繊維がたくさん。
上の細い部分は切り落とします。
生で食べるとシャキシャキして
繊維取ってる〜という感じ。
私はこれを薄切りにして
湯がいてから、パルメザンチーズを
上にかけて、オリーブオイルもかけて
オーブンで焼きます、これ、かなり
美味しいですよ。冬はいい!






次にこれ、日本語でなんというか
実は分からないんですが
イタリア語では「プンタレッレ
と言い、チコリに分類されるそうです。
これは生のまま、オリーブオイル
アンチョビ(ペースト状)であえて
食べると苦みがあって美味です。
アンチョビペーストというのは
普通にチューブに入って
売っているものを使います。
最初に塩水に浸けておきます。
大人のお味。







***
野菜は全体的に大きめですし、日本みたいにきれいに
個包装されていないことが多く、
大概計りに乗せて、購入します(スーパー)。
意外に清潔なイタリア人は、ビニール手袋をはめて
野菜を選びます、使い捨てのビニール手袋が必ず
設置されており、その横に置いてある
普通のビニール袋に選択した野菜を入れて
それを計りに乗せます。
計りのところには各種野菜の絵と名称が書かれているので
そこのボタンをポチッと押せば、バーコード付きの
価格シールが出てくるので、それを袋に付けてレジに
持って行きます。

*私は手袋がもったいないので(そんなに気を遣う必要ないが)
ビニール袋を手袋みたいにして野菜を掴みます。
たまに素手で掴んでいる人は、スーパーの人から
注意されます。

また、計り忘れて精算している人が居ると、レジでその人が
計りに行って戻ってくるまで待つので列ができます、
ため息、聞こえてきます(私は気が小さいので
忘れたと気付いたときは列を外れます)。

にんにくとか、日本は本当にきれいだなと思います。
粒ぞろい。
こちらのは、かたまりがいくつか網袋に入って売っていて
大きさバラバラ。
イタリアに来て、何が変わったかと言えば
にんにくをたくさん使うようになりました。

さて、今日はボジョレーじゃないですが、
フランスのヌーボーって書いてあるワインを見つけたので
買いました。毎年、一応買ってみて、あんまりだなあとか
思いながら、飲みます。いくつか種類があります。
イタリアもワインではフランスに対抗しているので(?)
普通はあまり置いてないんですね(すこーしだけ)。
ドイツワインとか、全然無い。




それがこれ。
何を基準に選んだか?
ラベルです(単純に)。
一番可愛らしかった。











秋の夜長は食も充実させたいところ。
夏はそうめんやカプレーゼ(トマトとモッツァレラチーズ)
がやっと、というときも頻繁にありますが
冬はグツグツ煮込むのが、部屋も暖まるし、いいですね。
そろそろシーズンの、黒キャベツというのもあり、
縦に長い、ブロッコリーくらい濃い緑色のキャベツ。
これを色んな野菜やお豆と一緒に数時間
煮込んでいただく、
冬料理の定番みたいになりました。

料理は得意ではないですが、
食べる事は大好きです。

では。








2011年10月23日日曜日

風よりも速く

訃報。
マルコ=シモンチェッリというイタリア人が亡くなった。
日本では一部の人にしか知られていないと思う、
MotoGPの選手。
今日は時間を大幅に割いて、各社のトップニュースだった。

私の印象としては
愛されキャラ。
お茶目な感じ。
ギリギリのラインでレースを行なう、勇気ある若者。

オートバイレースはイタリアに来るまで全く興味がなかった。
F1は親戚や友人にF1ファンが居るので
たまに見る事もあったが、バイクはゼロ。
危険なスポーツと認識しながら、常にそれに挑む選手たち。
レースを見ていると、怖いとさえ感じる。
今日の事故は何度見ても気分が落ち込む。
後続と接触しての事故死。
避けようが無かったと誰もが思い、誰もがそう見る、が、
関わることになってしまった選手たちの気持ちはいかばかりかと。
強靭な精神力を持ち合わせていなければ
この手のスポーツ選手にはなれない。

命を懸けて、好きな仕事をし、志半ばでの早すぎる死。
人生、何があるか分からない。
彼の人生は、きっと幸せだった、そう思いたい。

***
イタリア人の好きなスポーツ

サッカー
F1
オートバイレース

その他、バレーボール、フェンシング、水泳、ラグビーなど
多くあるが、上記3つは毎週行なわれ、
楽しみにしている人が多い。

今日のサッカーセリエAの試合では、各地で
黙祷が捧げられていた。
***


シモンチェッリは今朝、YOUTUBEに動画もアップしている。
ご冥福をお祈りします。

http://it.wikipedia.org/wiki/Marco_Simoncelli
(日本語表示にするには左の「日本語」をクリック)

2011年10月22日土曜日

直った天井

先日とうとうダウンジャケットを引っ張りだしました。
今年の春クリーニングから戻した際には気付かなかった
ファスナーが壊れている事を発見。もう、レシートも何もない。

壊れたまま、もう一冬頑張ってもらいます。

さて、3日くらい前、スーパーから戻るときに
家の前の足場を解体中のところに遭遇!きた!ようやく
陽の光が!!早速雨戸を全開にして、中に光を
取り込みました、まだ騒音は続いていますが
そんなものはなんのその。
嬉しい。

そして昨朝。
水漏れしていた天井を直してもらいました。

使用前
使用後 おみごと


小さくて分かりにくいですが、シミとひびはあれから広がり、
かわいそうなことになっていました。
職人さん、おみごとでした。
微妙な色の感じを、黒少々混ぜたりして
元通りに、というか、元よりきれいに。
今となってはどこにシミがあったのかとか、まったく見えない。

こういう職人技といいますか、職人さんというのに
私は尊敬の念を抱きます。最初は読書しながら
見守ってたこの修理工事ですが、途中から口を開けたまま
眺めてしまいました、すごい。

***

最近、「ペットボトルの水」をよく考えるようになりました。
「未だ半分入っている」か、「もう半分しか入っていない」か
のどちらで考えるか、というのは有名な話ですが
今回の件もそう。この水漏れ、自分の仕事場をほんの
10センチくらい外した所で起きました。
これがもし、コンピューターや書類の上で起きていたら、と
思うと、ああ、よかったなあ、助かった、と思えてなりません。

プリプリ怒れることも多いですが(怒るというか、呆れる)、
ケタケタ笑って生活すれば、ストレス減ってるなあと
感じられます。てきとーに考えることも、時には必要ですね。
ラテンの人の考え方、ときにはわるくない。

***
今日も何度も天井を見上げ。
コーヒー飲みながら。
ブログをしるし。
一日ゆったり過ごします(ゆったり≠ダラダラ)。

では。




2011年10月16日日曜日

小さなよろこび、しあわせ

日本はまだ暑い場所もあるようですが
こちらは随分寒くなりました、秋のコートなんぞ1度着ただけ。
春、秋が短いのが私にはとても残念です、
日本の四季はやはりいい。

今日のお題、小さなよろこびふたつ。

1)今シーズン初の大根購入


名称はもちろん
DAIKON」。
数年前に近所のスーパーで発見した時は喜びで飛び上がりましたが
ここ2年ほど見かけなく。昨日別の場所に行ったら、あった!
すぐに手に取りました。
日本の大根よりも細いし、何より葉っぱが好きな私には
この可哀想な葉っぱな感じは残念ですが
それでも贅沢は言っていられません。
半分はみそ汁に入れ、半分は浅漬けにしてみました。
浅漬け分はまだ冷蔵庫で眠っているのでのちほど。

でも、この「DAIKON」は、こちらの人、どうやって食べるのだろう。
見たことない。

2)携帯に絵文字を導入
今まで「顔文字」しか使えなかった私の携帯に、
絵文字」が入りました!これで日本の友だちに絵文字で
メッセージ送れます
普段日本でも、絵文字は意外と苦手なわたし。
あまり使わないのですが、たまに入れたくなるときがあるので
なんだか日本に近くなった気がしてうれしい(単純)。
早速、友だちにショートメッセージを送って、きちんと
反映されているか確認しました。

昨日は世界中でデモ、ローマでは一部暴徒化しております。
もちろん、こちらでは昨晩特集も組まれるほどの
大報道、負傷者も70人以上(10月15日現在)。
大けがをされた人も居ます。
車に火が放たれ、店舗や銀行の窓ガラスが割られ。
警官は沈静化のために放水もしています。
一日テレビを見ていましたが、「一体世界はどうなって
しまったんだろう」と思いました。
今回の世界中で行なわれたデモも、インターネットでの呼びかけで
始まったこと。昨冬から始まった「アラブの春」なる
各国での変革もインターネットが大きな役割を果たした。

ローマに集まった人たちも、国内北から南まで。
前日に否決された内閣不信任案に対する怒りも重なり、暴徒化。
怒りが、文字通り爆発してしまった。
なんだか先行き不透明な、この国です、いや、世界中ですね。

そんな中、のんきに私は絵文字なんて入れて、
今日は朝から大根に包丁を入れ。
先週は毎日のように、公共料金など請求書の訂正を求めたり
役所の手続きでイライラしたりの繰り返し 、そんな中での
日々の小さな喜びと、普通に(なんとか)生活できていることに、
感謝。

では。

2011年10月11日火曜日

似て非なり、か、相通ずる、か。

最近まわりで職を失った人が何人か居ます。
一人は契約更新されなかった子。
一人はなんとなく(!)解雇された子(職場内での人間関係で
上司に影響力のある子が勝った、という説も)。
もう一人は嘱託社員だったのが、自然消滅したという話。

いずれもイタリア人女子です。
イタリア国内での失業率は8%前後。


[世] イタリアの失業率の推移(1980~2011年)
※出典:IMF - World Economic Outlook(2011年9月版)


低くはないですが、高くもない値です。
若者は(25歳以下)30%近い。
また、契約社員やパートタイム勤務の人も大勢います。
職を失っている人が多いのに不思議なこの数字と、
南北格差に関してはまたいずれ。

端から見ると、イタリアはそんなに経済が悪いように
見えないかもしれないのですが、たった数年イタリアに居る
私ですら、目に見えて経済状況の悪化を感じます。

まず、インフレ。
本日レートは1ユーロ≒104円、ユーロ導入時にほぼ近い
値になっていますが、数年前は一時170円くらいにまでなり、
このときはさすがに多くの日本人やドルを持つアメリカ人などが
「イタリア物価高い!」と叫んでいました。
170円はさすがに有り得ない高さであり、その実力も
無かったわけなのです。

物価上昇が続くのに、お給料は据え置きが多く。
家庭を持つ女性も働かざるを得ません。
もちろん、働きたい女性もたくさん居ますので
一概には言えませんが、共働きの家庭が非常に多い。
日本でも昔に比べて専業主婦率は高くないとは言え、
まったく比べものになりません。

多くの人が家をシェア。一人暮らしが当たり前の日本とは
まったく異なります。

でも...

イタリアも、かつては「国民皆が中流」という
どこかで聞いたような、意識がありました。
セカンドハウスを持つのは当たり前(不動産は日本に比べて
格段に安価な時代がありました、過去のはなし)。
今は、お金持ちは超お金持ち、そうでない人は
月末までたどりつけるか、という人。
格差が広がっているのと、格差を間近で感じる事ができる、
どこかの国と似ている感じがします。

若者が職につけない(→学生を長く続ける)、というのも
年金問題少子化問題を抱えるイタリアでは大問題です。
故国と似ています。

先進国はみな同じような問題を抱えている、と誰かが
言っていました、が、イタリアって、日本と結構
似てるんじゃない?と思う事が多い。


政治も同じ。
なんとなく、どこが政権を取っても国民は納得できてない現状。
あ、首相がスキャンダルまみれで辞任しない、というのは
日本では絶対に有り得ないし、この国では
国会議員は他の職も続けられるので、
議員としての収入以外に、莫大な収入を得ている人も
首相を筆頭に、多数。このあたりは日本に軍配、
あ、競ってるわけではありません。

文頭の友人たちが、一日も早く、職を見つけられますように
願う日々であり、また自分も、このままじゃどうにも
ならないところまで来ているので、出口(というか糸口)
を見つけたい、その間の収入をなんとかせな、と、
文化も歴史も慣習も、何もかも異なるイタリアと日本の狭間で
どちらの国も同じような問題を抱えているのを見ながら
物思いにふける日々なのです。

では。


2011年10月8日土曜日

イタリアの誕生日会

最近は、「誕生日はもうめでたくない」と聞く機会が
ありますが、やはりお祝いされたら嬉しいもの、
「ああ、この年まで誕生日を迎えられてよかった」
と年寄りくさいことを考えます。

イタリアでは誕生日を意外と派手にお祝いするような
気がします。
先日は、友人の40回目の誕生日。
この、20とか30とか40とか50とか60とか
そういう節目の誕生日は特に盛大にお祝いする
(しない人もいる)。
2年前に私が、友人の友人の30回目のパーティに
呼ばれた時は、クラブ(イタリアではディスコテーカと
言います...)で食事をした後、みんなで踊る。
先日私が上記の40歳を迎えた友人のパーティに
行った時も、クラブ(=ディスコテーカ)で食事→踊る。

食事って、こういう場合こんな感じです。
1)前菜(ハムとか、チーズとか、カナッペとか)
2)プリモ(パスタ系)
3)セコンド(お肉やお魚系)
4)デザート

もちろん場所と予約時刻にもよると思うのですが
上記2度とも、前菜が出て来た時間がだいたい10時半、夜の。
しかも、同会場にそういうパーティをしている人たちが大勢居るので
一品出てくるのにやたらと時間がかかる、お肉を食べ始めたのが
12時過ぎくらい、午前零時ってことです。

私は超日本人的な生活をしているので、たまにこういう
遅い夕食になると、不安になって仕方が無い、
夜更かしが苦手なんですね、つまるところ。

こういうところの食事は、決して美味とは言えません、が、
音楽がガンガン鳴ってて、なんとなくノリノリで食事をする
というのが、年齢関係なく「娯楽」。

イタリアに来て、短期でも住んだことがある人が
きっと経験するのがこの「ディスコテーカ」だと思うのです、
日本ではクラブとか行かない、という話はよく聞きます、
いわば、登竜門か?

そして大概、ケーキは持参するのです、
自分たち(普通は誕生日の人)がケーキを持参し
受付とかに預け、食事が一通り終わったときに
ろうそくに火をつけて持って来てくれる、
火を消したら切り分けて配ってくれる(ので、デザートは
会場側で用意されない事も多い)。
必ずスプマンテ(発泡酒)と共に食す。
一通り口に入れたらいよいよみんな立ち上がって
踊りだし、会場の人がその間を顔を引きつらせながら
散らかった卓上を片付け、いつのまにかテーブルの上には
何も無くなっている、という具合。

女子の服装について、主役はいつもとは違い
クラシックな服装をしていることも多い。
9割以上の女子はハイヒール、それもピンヒール
12センチくらいありそうなあの靴で、どうやったら
あんなにガンガン踊れるのか、傍観者のわたし。
足がイタ〜イと言いながら、踊る、おどる。
ものすごいセクシーな格好をしている人も多い、
常に傍観者のわたし。
最近気付いたことですが(今さら)、イタリア女性は
夜出かけるときのハイヒール率がめちゃくちゃ高いです。
みんな持ってるんだなあ、ハイヒール、と
他人事のように見ているわたし。

ディスコテーカなので、DJや司会も居て、主役の人たちは
何度も名前を呼ばれて、会場全体で「おめでとう〜!」。
ボトルに備え付けた花火が出てくるわ、
クラッカーは鳴るわ、
大騒ぎです。

個人的には、誕生日、親しい人たちとのんびり食事を
楽しみたいなーと、イタリアで誕生日のお祝いを
一度もしたことがない私は、ひそかにそう思ってます。

では。

これも、自前、風船を会場に持ち込み
テーブルの上に置いておきます。

2011年10月5日水曜日

「規制」と「自由」

朝晩はめっきり冷え込み、明日からは「夏は終わり
という予報が流れています、イタリア。
そろそろ冬支度を始めなくてはいけません。

さて、昨日、個人的にはとてもびっくりするニュースが
ありました。殺人事件の件ではありません。

インターネットサイトの規制について、です。

現在、イタリア語版ウィキペディアは一時的に閉鎖されています。
なぜか?

実は最初は法律のことをまったく理解できないので
よくわからなかったのですが、イタリア人に少しだけ
説明してもらいました。

今論議されている法案は、このようなものらしいです。

ウィキペディアみたいなサイトやブログなど、個人のことが
書かれていて、その人物が、それを「自分に取ってダメージ」と
受け止めた場合、その人自身がそのサイト(ページ)の
修正または削除を求めることができる
そして、それは法で決定するのではなく
個人の要求に従う、ということらしい。

今現在イタリア版ウィキペディアが
まったく見れなくなっているのは、一時的に
この法案に対して「抵抗」をしているためだとか。

イタリア版ウィキペディアは、世界の中でもトップクラスの
情報を持っています。
個人的には日本語版をよく見ますが、イタリア語版も
照らして活用する事もあり、完全に「百科事典」の
認識しかありませんでした。

表現の自由と規制
情報化社会における大きなテーマではありますが
この法案、果たして「進んでいる」のか、はたまた
「遅れている」のか、私には判断できません。

もっと大きく報道されてもいい内容の法案だとは
思うのですが、先日のペルージャ殺人事件といい、
ギリシャ経済支援といい、そして本日のトップニュースである
ムーディーズの格下げといい、大きなニュースが満載なので
まったく陰に隠れている感じ、通過してからニュースに
なるのでは遅いのじゃないか?と思うのですが。


個人的な意見ですけどね。
みなさんは、こういう規制、どう思われますか?

では。

追記:夜のニュースでは大きく取り扱われていました。

2011年10月4日火曜日

長い一日、審判の日

昨日報道各社は朝からずっとこの話題でもちきり。

2007年にイタリア中部ペルージャで起きた殺人事件の
控訴審があった。
この事件、何か進展がある度に大々的に報道され、
今日の新聞は見ていないが、おそらくすべて一面トップ。
結果は逆転無罪。
一審で被告2名にはそれぞれ26年、25年の懲役だった。
裁判所の模様が中継された、裁判長が読み上げた、
歓喜の声と泣き声が流れた。

4年前、英国女性留学生が殺害された、その被告が
アメリカ人女性とイタリア人男性の元カップル。
この、「きれいなアメリカ人」という言い回しを
昨日は何度耳にした事か...被告が美人かどうかを
コメントする人たちがこんなに居るなんて
ちょっと驚いた。
これが男性2名の被告だったら、ここまで大きく報道されて
いなかったのではないか。
それに、ハロウィンの日に起きた、乱交パーティのような
事件背景も拍車をかけている。

英、米、伊(もう一名、コートジボワール人も関与)の
国際的な裁判であったこともひとつ。
米国では昨日、判決後にテレビ、新聞が「無罪」と
大きく取り上げた。
イタリアでは、中継まで入っているのだから、無論である。

2007年から、実に4年。本当に無罪だったら
若いこの二人には、なんと残酷な日々だったことだろうか。
でも、今回の無罪判決は、私が理解した限りでは
「証拠不十分」。
被害者の遺族にしてみたら、この結審はまた、振り出しに
戻されてしまったという思い、無念さだけが残るだろう。

素朴に、じゃあ、一体誰が殺害したのか。

殺害された子よりも、被告がこんなにクローズアップされ
本も出て、映画化されるということも聞いた、
もちろん、被告女性を主人公にして。
あ、もう被告じゃないのか..

この長い裁判の途中経過から、昨日の控訴審までを見て
不謹慎だが長くイタリアに居ることを実感した 。

どちらの結果になっても、やりきれない思いは
残ったと思う、赤の他人の私ですら、こうなので
関係者には言葉もない。

一応、どんな事件なのか、というのは、こちらに。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20111004-00000665-reu-int

次回は明るい話題で!


2011年10月2日日曜日

スポーツへの想い

自他ともに認めるスポーツ観戦オタクのわたし。
今夏は世界水泳から世界陸上、高校野球(地区予選から)に
サッカー(男女)などなど大いに楽しんだ。

今日、久しぶりにライブで長友選手の所属するインテルの
試合を見た、もちろん、テレビで。
イタリアも、日本で言うスカパーのようなものに
加入していないとサッカーの試合は見る事ができないのだが
今日はずっと楽しみにしていた試合、なんとか
友だちを(無理矢理)誘い、スポーツバーのような、
ビール屋に赴いた。

本来わたしは、ナポリのファンで、今夜の試合は
インテルーナポリ、結果は0−3でナポリの勝利。
なんとなく複雑なこの感情、日本人にしか分からないかもと
思う。
イタリア人(特に男子)に言わせると
「ファンならファン、気持ちが揺れるようなら
ファンとは言えない」。
その通りで、ならば私はナポリのファンではない、
ということになるのだが、長友選手の居るインテルに対しては
これまでとは違った思いがある。

今年の頭からレンタル移籍を経て、今や正式にビッグチームである
インテルでプレーしている長友選手。
彼のプレーを見ていると、特に初期には涙が出てきた。
シーズンの途中で、異国の地、しかもサッカー王国での
ビッグチームへの移籍、日本人に対するまだまだぬぐえない
偏見、言葉の壁、それらを思うにつけ
なんと頑張っていることだろうと思う。
同じイタリアに居る日本人として、誇りに思え、
勇気を与えられた。だから、厳密に言えば
今夜の試合も、インテルを応援していたというよりは
長友選手を応援していた、と言うべきだろう。

ミスがあった。イタリアでの評価も、早速
「止められたはずだった」と流れた。
確かにそうだったのかもしれない、それでも、がんばれ、
心の奥でそう思いながら、試合を見続けた。

スポーツとは、私にとっていつでも計り知れない
勇気を与えてくれるものである。
プロの世界は甘くない、結果がすべてかもしれない。
それでも、感動や勇気を与えてくれるスポーツ選手というのは
それだけですでに充分な仕事をしているのだと、思えてならない。

先週 仕事で観に行った試合