2011年10月11日火曜日

似て非なり、か、相通ずる、か。

最近まわりで職を失った人が何人か居ます。
一人は契約更新されなかった子。
一人はなんとなく(!)解雇された子(職場内での人間関係で
上司に影響力のある子が勝った、という説も)。
もう一人は嘱託社員だったのが、自然消滅したという話。

いずれもイタリア人女子です。
イタリア国内での失業率は8%前後。


[世] イタリアの失業率の推移(1980~2011年)
※出典:IMF - World Economic Outlook(2011年9月版)


低くはないですが、高くもない値です。
若者は(25歳以下)30%近い。
また、契約社員やパートタイム勤務の人も大勢います。
職を失っている人が多いのに不思議なこの数字と、
南北格差に関してはまたいずれ。

端から見ると、イタリアはそんなに経済が悪いように
見えないかもしれないのですが、たった数年イタリアに居る
私ですら、目に見えて経済状況の悪化を感じます。

まず、インフレ。
本日レートは1ユーロ≒104円、ユーロ導入時にほぼ近い
値になっていますが、数年前は一時170円くらいにまでなり、
このときはさすがに多くの日本人やドルを持つアメリカ人などが
「イタリア物価高い!」と叫んでいました。
170円はさすがに有り得ない高さであり、その実力も
無かったわけなのです。

物価上昇が続くのに、お給料は据え置きが多く。
家庭を持つ女性も働かざるを得ません。
もちろん、働きたい女性もたくさん居ますので
一概には言えませんが、共働きの家庭が非常に多い。
日本でも昔に比べて専業主婦率は高くないとは言え、
まったく比べものになりません。

多くの人が家をシェア。一人暮らしが当たり前の日本とは
まったく異なります。

でも...

イタリアも、かつては「国民皆が中流」という
どこかで聞いたような、意識がありました。
セカンドハウスを持つのは当たり前(不動産は日本に比べて
格段に安価な時代がありました、過去のはなし)。
今は、お金持ちは超お金持ち、そうでない人は
月末までたどりつけるか、という人。
格差が広がっているのと、格差を間近で感じる事ができる、
どこかの国と似ている感じがします。

若者が職につけない(→学生を長く続ける)、というのも
年金問題少子化問題を抱えるイタリアでは大問題です。
故国と似ています。

先進国はみな同じような問題を抱えている、と誰かが
言っていました、が、イタリアって、日本と結構
似てるんじゃない?と思う事が多い。


政治も同じ。
なんとなく、どこが政権を取っても国民は納得できてない現状。
あ、首相がスキャンダルまみれで辞任しない、というのは
日本では絶対に有り得ないし、この国では
国会議員は他の職も続けられるので、
議員としての収入以外に、莫大な収入を得ている人も
首相を筆頭に、多数。このあたりは日本に軍配、
あ、競ってるわけではありません。

文頭の友人たちが、一日も早く、職を見つけられますように
願う日々であり、また自分も、このままじゃどうにも
ならないところまで来ているので、出口(というか糸口)
を見つけたい、その間の収入をなんとかせな、と、
文化も歴史も慣習も、何もかも異なるイタリアと日本の狭間で
どちらの国も同じような問題を抱えているのを見ながら
物思いにふける日々なのです。

では。